最新情報はFacebookでも配信しております。 / 過去の例会はこちら

 

【第298回東南アジア考古学会例会のお知らせ】

 
東南アジア考古学会では、次の通り第298回例会をオンライン(Zoom)で開催します。
皆様のご参加をお待ちしております。
 
開催日時:2025年11月8日(土)14時00分~15時30分(日本時間)
 
開催形態:Zoom(オンライン)開催
 
発表者名:坂井隆(アジア文化財協力協会)
 
発表題目:台湾出土の日本近代陶磁器ー近代東南アジア陶磁貿易解明への視点
 
要旨
 伝統的な中国陶磁輸出の勢いが急速に下がっていった19世紀以降の近代においても、東南アジア地域での陶磁貿易は主役を変えた形で継続されていた。近代遺跡の調査が決して多いとは言えない中で、特にヨーロッパ陶磁の大きな輸出は、シンガポールのプロウ・サイゴン遺跡などで現れている。20世紀になって大きな波となった日本一般陶磁の輸出状況を良く示しているのが、最近調査が増えている台湾の日本統治時代遺跡である。他地域での将来的な調査も見通しながら、台北大龍峒遺跡と基隆和平島遺跡出土陶磁器の状態の検討結果を報告したい。
 台北大龍峒遺跡は、日本統治時代初期に開校した小学校の敷地で、この学校の教員宿舎及び周辺地域住宅からの廃棄物としての大量の陶磁器出土だった。同様の小学校教員宿舎例は早く考察がなされた花蓮花岡山遺跡でも見られるが、周辺住民のほとんどが日本人だった花岡山とは異なって大龍峒の住民はほぼ全てが台湾人である。一方、基隆和平島は日本との交通の玄関口にあたる基隆港に接する島で、日本統治時代の大部分を沖縄漁民が集住した特殊な場所である。さらに1930年代後半からは台湾最大の造船所が操業を開始した。
 この両遺跡で出土した食器を中心とする陶磁器の内容の異同を見ることで、どのような人たちがどのような食生活を求めていたのかを検討する。そのことと僅かに判明している他の東南アジア地域の状態を比較により、近代陶磁貿易の考古学的な枠組みを考えたい。
 
事前の参加登録等は不要です。当日、以下のURLからご参加ください。
https://us02web.zoom.us/j/89697346512?pwd=Lwh0Wz0CmTBGaaIhpJHNiik3bz6AB9.1
ミーティング ID:896 9734 6512
パスコード:720629
 
皆様のご参加をお待ちしております。
 
問い合わせ先:
東南アジア考古学会例会担当委員
jssaaseminar★gmail.com
(★は@に置き換えてください。)